働く中で感じていた苦しさの正体を紐解きたくて手にとった1冊。 メリトクラシー(能力主義)の呪縛が、ジリジリと自分を縛り付けていたことに気づく。 そもそも「能力」とは何なのか?「社会が求める能力」なるものが何なのか、具体的になにをすればよいのか、 ずっと掴めずに苦しんでいたように思う。そんなとき、本書のこの言葉にはっとした。
「能力」は環境次第でいくらでも移ろうもの。個々の身体のなかに確固として存在する臓器のようなはっきりとしたものではない。 誰となにをどのようにやるか、これ次第!
(中略)
さまざまな感情や、考え、言動が入り混じる職場において、なにが、どのような指示系統のなかで進められていくか。 そうした環境と自身がかみ合った状態が、「活躍」や「優秀」と表現されるに過ぎない。
(p.36-37より)
そうか、そもそも「能力」なるものに確固とした定義をすること自体に無理がある。 その得体のしえない、移ろいやすい蜃気楼みたいなものを追いかけて苦しくなっていたのか。 そうやって、自分の状況を客観的に捉えることができただけでも、読んでよかったと思った。